「太陽にほえろ!
1978 DVD-BOX II」が発売になりました。
今回も「バップ屋」の担当者からの依頼により、DVD-BOXの制作サポートを発注頂
いている高島幹雄が、僭越ながらコラムのようなものを書かせていただきます。ここでは広く市販する目的の商品の中では書けない話を、DVDの制作エピソードも交えてお送りします。
良かったら気楽におつきあい下さい。
●「太陽にほえろ! 1978 DVD-BOX II」のBOXアートについて
1978(昭和53)年に放映された全52話を、二つのボックスに分割してリリースする第二弾。1978年7月7日放映の第310話「再会」から、1978年12月29日放映の第335話「ある結末」までの全26話を収録しています。
ボックスのデザインは、前回のジャケットで初めて集合写真を使用したのを契機に、今後のボックスは全て、歴代の集合写真を使っていこうと思いましたが、シリーズ商品としての見た目のメリハリをつけたい、というバップの制作担当の方からの意見もあり、今回はメインの若手刑事の写真にすることになりました。
ならばボンしかない!と。1975年秋放映分で登場したぼんぼん刑事=ボンが、これまで単独でボックスのジャケットを飾ったことが無く、このままだとその機会が無いまま殉職編を迎えてしまうことになりますので、今回はボンの単独写真を探すことになりました。しかしボンならばどの写真でも良い、という
わけではありません。今回の収録エピソードに合わせたものでないと違和感が出てしまうからです。
DVD-BOXのジャケットでのボンの出方について、私見も交えて振り返ってみます。登場編では先輩刑事・テキサスとのコンビという描き方だったため、ジャケットもテキサスと一緒にしました。スコッチ刑事期は、DVDの企画の打合せ時に、番組内容を考慮して、第217話のスコッチ登場から第244話のスコッチ転勤までの28話分を一つのボックスで「スコッチ刑事編」、次は少量の話数収録で価格も安くなるよう、スコッチ転勤後に入れ替わりで新刑事が登場しない異例の時期、若手刑事がボンだけだった
1977年4月から6月までの11話分をボン編として編成、そこでボンの単独ジャケットにしたい、というアイディアを当方から出しましたが却下となりました。知らされた時には、ロッキー登場前までを単純に約半数で分割して「スコッチ&ボン編」という、ドラマの中での描き方に必ずしも即さないボックス・タイトルに
決定した後でした。ボンとスコッチは、テキサスとボンのよう
な体育会的先輩後輩コンビではなく、スコッチは孤高の存在なので、この二人の刑事を「&」で一緒にしまうことに違和感があります。なのでスコッチの登場
編では、ジャケットだけはスコッチの単独写真にして頂きました。しかし、収録話数と価格の兼ね合いなど一般商品を制作、販売するバランス感では、これもまた正解だったのだと思います。
このようなことを経て、早くも2008年にはボン殉職編となる1979DVD-BOXが出ます。収録内容から考えてもボンの単独ジャケットは今回しかないのです。バップから日本テレビに手配をお願いして支給されてきたカラー写真の中から、今回のボックスに収録されるストーリーの中からボン単独のものを探したところ、写真のピントが良いもの、ボンの表情の良悪などを考慮してボックスに使えそうな写真は、ここに御覧頂いている完成品のものだけでした。
ボックスの写真は、やはり拳銃を構えるなど刑事モノらしいわかりやすい写真(一般商品ではこれも重要なのです)が良いのでは?と思い、さらにカラー写真を捜索させて頂きましたが、このボックスの収録作品での拳銃を持ったカラー写真は残っていませんでした。ここでロッキー登場編は拳銃を持っていない写真というツッコミもありそうですが、あの写真は元レスキュー隊という設定で、 ロープを持っている、ということでボックスに使いました。
今回のボンの写真は、北海道ロケ前後編の第324話「愛よさらば」のものです。先 ほど述べた刑事モノとわかりやすい写真ではないですが、最後の「ボ ス、殺せなかった……俺には殺せませんでした。」というボンの台詞があった名場面、その表情がボンのやるせない青春を表現している良い写真ではないでしょうか?
●「太陽にほえろ! 1978 DVD-BOX II」の中ジャケットについて
『太陽にほえろ!』DVD-BOXでは、2セットで一つのサイクルになっており、収録
ディスクのナンバリングは、前回の続きからになっているため DISC-8から始まっています。中ジャケットの制作についてのトータル的な意図は前回のコラムをご参照下さい。
DISC-008は、第312話「凶器」。大きく記念作品を謳ったものではなかったですが、番組の6周年にあたる週で、ボスのアクション編をという意
図で制作されたエピソードです。ボスの単独写真でのジャケット用、という意味で
のベスト・ショットが無く共演の矢吹二朗との写真です。
表面は人物をキリヌキなどで写真を加工していますので、スチール写真のオリジナ
ルの状態を商品の中に留めることができるようジャケットの内側にも同じ
写真を掲載しています。
DISC-009は、ボン主演作品の収録は無いのですが、ボンをジャケットにしました。
他のディスクとのバランスを考慮したのと、殿下主演の第316
話「ある人生」のスチールの中に、ボンの中ジャケットに使えるクオリティ、構図
の写真があったからです。
DISC-010は、山さんです。第321話「朝顔」のスチール写真です。このエピソード
のスチール写真は、伝説の女優・岡田嘉子扮する滝沢トキの邸
内での場面しか残っていませんでした。
DISC-011は、第323話「愛は何処へ」からロッキーの単独写真です。この写真のみ
カラー写真からのモノクロ化です。
DVDに使用する写真は膨大な量のモノクロ写真のネガを全部見て、選び、紙焼き写
真を発注したものが出来てきたものから、ブックレット用の写真とフォ
トデータ集に振り分けていきます。第323話「愛は何処へ」と第324話「愛よさら
ば」は、モノクロのスチールが現存していませんでした。
本放映時からのファンの方、マニアの方はご存じのことと思いますが、放映当時に
は数年に一度『太陽にほえろ!名場面集』という
番組の写真集がシリーズ
で発行されていました。とはいえ、DVDを購入する方のすべてがその本をお持ちとい
うことは無いので、名場面集に掲載されていたものは「基本」と考えて、それも含めて掲載するようにしています。未公開カットに近いものばかりの掲
載で基本がないのは商品として本末転倒だと思うからです。しかし、このエ
ピソードのように全く写真が残っていないのもの、モノクロのネガが残っていて
も、かつての『太陽にほえろ!名場面集』に掲載されたメインの写真が残って
いないエピソードもあります。これはちょっとショックでした。
第323話「愛は何処へ」と第324話「愛よさらば」は幸いなことに、カラーでの写真
がいくつか残っていたことと、ブックレットの真ん中、見開きとな
るセンター・ページをこの2話に宛てがうことができましたので、製造の工程にお
いてもカラーで掲載することができました。
DISC-012は、長さんです。DISC-008に収録の第313話「真夏の悪夢」以外では、こ
の第326話「捜査」しか主演作品がありませんの
で、必然的にこのディスクになるわけです。
DISC-013は、第332話「冬の訪問者」からゴリさんのカットです。父親役の下条正
巳との静の写真以外にも、後半の犯人に向かっていくシーンの
写真も残されていました。
山さんとのツーショットのスチール写真から、拳銃を手
に犯人を見据えるゴリさん。この表情もまたゴリさんらしいものだと思いま
す。
DISC-014は、第335話「ある結末」。第299話「ある出逢い」で出逢った殿下と婚約
者・三好恵子(香野百合子)の悲恋物語の完結編です(本
当の完結は1980年7月放映分の殿下殉職編なのですが……)。別れが近づく殿下と三好
恵子の二人をジャケットにしました。
全体を通してDISC-008のボスと、このディスクの写真が最初に誰にするかが決ま
り、そこを起点に他のディスクのジャケットを、現存する写真の構
図も考え合わせて決めていきました。
各中ジャケットの裏表紙(表4といいます)は、アッコ・矢島明子役の木村理恵さ
んに代わって、ナーコこと松原直子役の友直子さんが登場したときの集合
写真です。これには、ナーコがいるヴァージョンもあります。次回のボックスの表
面写真は、その集合写真になる予定です。
●特典映像、オーディオコメンタリーについて
特典映像の企画意図、撮影エピソードなどについては前回のコラムで書かせていた
だきましたので、一部、今回のボックスのネタバレになるので控えていた
ことのみを書かせて頂きます。
特典映像の収録時にアッコ・木村理恵さんの降板が話題になった際に、アッコがス
トーリー上でどういう設定で七曲署を辞めたのか、ということを木村さんご
自身がご記憶にないとの話でした。当初オーディオ・コメンタリーに予定していた
作品を変更するならば、アッコのラスト・エピソードである第322話「誤
射」を実際に見ながら、お話しして頂くのが良いのでは?ということで選ばせて頂
きました。
29年の時を経て、ボン・宮内淳さん、ロッキー・木之元亮さんがアッコ・木村理恵
さんを再び『太陽にほえろ!』から送り出す、という人間的な温かいも
のを感じていただければ幸いです。
ファンの皆さん、それぞれご意見もあると思いますが、バップ屋の太陽にほえろ!
販売サイトまでお寄せ頂ければと思います。 |